家づくりの取捨選択

「梅が香を 桜の花に にほわせて 柳が枝に さかせてしがな」
先日、『後拾遺和歌集(ごしゅういわかしゅう)』の歌を美容院の雑誌で見つけました。
意味は、そのまま
(梅や桜、柳、それぞれの良いところを集めた植物があるといいなあ~)で・・・
梅の香りは語るまでもありませんし、花の一輪一輪もとても可憐です。
が、一面桜色の世界は何ものにも替え難く、艶やかさ、華やかさで、やはり軍配は桜でしょうか?
柳の枝は優雅ですし・・・。
"なんと贅沢な"と言うか、"いいとこどり"ですね~。
これは家づくりでもしばしば、あることです。
何せ、家づくりは、一世一代の大仕事ですから、
大抵の皆さんは、梅や桜はもちろん、薔薇や蘭や・・・・・・と、
イメージを最大に膨らませていらっしゃいます。
当然ですよね~。長年の夢の実現ですから・・・。
でも、先ほどの歌がそうであるように、
長所ばかりを寄せ集めて一本の木にしても、最高とは限りません。
梅は梅、桜は桜、もちろん柳は柳だからこそ良いという事がしばしばあります。
池田住宅では、着工までに平均半年位かかります。(長い方は一年位)
お客さんにスケジュールをお伝えすると「えっ、半年も・・・?」とおどろかれます。
夢を実現した、新しい家に早く住みたい気持ちは誰しもですから・・・。
ですがこれは、皆さんが思い切り膨らませてこられたイメージを
少しずつ整理していただく、とても重要な期間です。
実物が目の前にあって、これはどうしましょう?
とお話しするなら、楽なんですが、
見慣れない図面で、幅や奥行き、高さといった空間をイメージしていただくのはとても難しい事です。
ついつい"あれもこれも"と詰め込みたくなってしまいます。
その"あれもこれも"が本当に必要かどうか取捨選択のお手伝いをするのが、
私たち造り手の大きな仕事です。
雑談と思えるような他愛ない話から、お客さんの生活習慣や、新しい生活への希望などをお聞きして、一つ一つ精査していく作業は、時にしんどいなと思うこともありますが、とても好きな時間です。
完成してお引渡しをした時に、
「あれをやめたから、スッキリして良かった。」と仰って頂いた時に、強く感じます。
ですから、家づくりをお考えの方には、
「こんな贅沢な・・・」などと思わずに、
梅や桜、薔薇に蘭に・・・とイメージを思い切り膨らませて欲しいと思っています。


